【彼はソクラテス?】
こどものつむぎ、心理士の前岡です。
今日は、虫が大好きな小学生の男の子のお話。
学校からつむぎへ向かう車の中で、道で拾ったイチョウを出してきて、彼は言いました。
「これって生き物?」
なんという難しい質問。虫が好きすぎて、イチョウが生き物かという極めて高尚な疑問までたどり着いたのかな。
「ん~、生き物かな~。」
「どうして?」
私は少し考えて言いました。
「はっぱも息してるからね。」
こんな平凡な答えでごめんなさい。
すると彼はまた質問を投げました。
「じゃあ、車は生き物?」
え~、車が生き物かどうか!?考えたこともない…生き物じゃないと思うけど、もしかしたら哲学的に考えると生き物かもしれない。もしかして、彼は質問を投げかけることで、真理に近づこうとするソクラテスなんじゃないか?
「車は息してないから、生き物じゃないかもね。」
なんとつまらない答えなんだろう。自分は真理にたどり着くには遠すぎるので、何もわかりません、はい。
すると彼は、とどめの質問を投げました。
「じゃあ僕の飼ってるピーちゃんは、何を食べてるでしょうか?」
ああ、もう勘弁してください、わからないです。
すると悩んでいる私に対して、一言。
「ピーちゃん用のえさを食べてるんだよ。」
「・・・。」
真理とは、遠いところにあるように見えて、実は身近なところにあるということを教えてくれました。